さて、光村図書の教材文「生き物として生きる」は、「説得力のある文章を書こう」という「書く」題材と組み合わされている。そこに「根拠を明らかにしよう」とか「異なる立場から見直そう」と書かれているのをみると、この教材文の「根拠」や「立場」も考えてみたくなる。
この文章の中で、筆者の主張が明快に書かれているところは2カ所。
(A)人間が誕生するまでに、脳や心臓などをもつ複雑な体がどのように形作られているのかはまだよくわかっていない。ということは、安易に人間が手を加えることによって、予測できない結果が生まれる危険性もあるということになる。思い通りにしたいという気持ちには歯止めをかける必要性がある。
(B)生き物は思い通りになるものではないと考えた方がよいようだ。確かに便利になるのはありがたいことだけれど、便利さだけを求め、それが最もよいことだと考え、生き物にまでそれを当てはめようとするのは間違っているのではないだろうか。
「便利さ」=「思い通りにする」ということであるので、この2つの記述がほぼ同じ内容を示している。しかし、微妙に違ってもいる。
(A)は手を加える対象は人間だけれど、(B)は生き物が対象
(A)は「よくわからないから」という留保条件がついているが。(B)は、そういう条件はなく、むしろ「思い通りにならないのが生き物」というような主張が感じられる。
実は(A)の記述は形式段落の(12)、(B)の記述は、形式段落の(16)に書かれている。
このことを、「前回問題にした(13)〜(15)の部分が蛇足か」につなげてみると・・・。
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