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2006.05.25

文化を伝えるチンパンジー

2年生の教材に「文化を伝えるチンパンジー」(松沢哲郎)というのが新しく入った。この文章、書き下ろしとは書かれているが、下敷きになっているものはある。『おかあさんになったアイ』(松沢哲郎 講談社 2001)が、それである。教科書本文との比較は、稿を改めて書こうと思っているので、今日は、授業の報告。

一通り内容を理解したところで、疑問点を挙げてもらった。これは、それほど生徒たちの興味をひかないかもしれない、この文章を能動的に読むために、グループで疑問をつくるのがいいのでないかと思ったからだ。それまでも、表と文章の比較や文章の読み取りなどをグループでしてきたので、グループ学習には少しずつ慣れてきている。

本当は調べ学習までいけるといいのかも知れないけれども、内容も理科的であることだし、今回は私の方で調べて説明することにした。以下はその資料の一部。ネタ元はすべて上記の本である。生徒には一部を印刷して分けようと思っているのだけど、blogでその部分は出せないので、それ以外のところだけね。

○どうしてヨという名前なのか?
 『おかあさんになったアイ』を読むと、愛知県犬山市の京都大学霊長類研究所に暮らすチンパンジーは、「アイ」「アユム」「ゴン」「アキラ」「レオ」「クロエ」「クレオ」「パル」「パン」などの名前が付けられていることが分かります。中でもアユムについては「 出産にいたるまで長くかかったので、まわりの人が、健やかに歩んでほしいという素朴な願いを込めて「アユム(歩)」と命名されました。」
と書かれています。
 一方、ボッソウの野生チンパンジーには、「ニナ」「パマ」「ユンロ」「ジュル」という名前がつけられているようです。
 ここからは想像ですが、ボッソウの野生チンパンジーには、アフリカ風の名前が付けられているのではないでしょうか。ちなみに、『森の隣人』によれば、グドールさんは、アフリカのゴンベのチンパンジーに「デイビット」「ゴライアス」「ジュビリー」などの名前をつけています。

○どうして石器でしか割らないのか?
石器使用の対象となっているのは、本文中にあるように「アブラヤシ」「クーラ」「パンダ」の三つです。この実について次のように書いてあります。
「パンダというのは、十キロくらいの重い大きな石でガンとたたかないと割れないほど、ひじょうに堅い殻をもっています。堅さでいうと、パンダがいちばん堅く、クーラ、アブラヤシの順になります。どうやら手とか高いところから落とすとかでは割れないようです。」

○コミュニティAは何を食べているのか?
これも『おかあさんになったアイ』に、ボッソウのチンパンジーの食べるものが書いてあります。アブラヤシの実の他にアオミドロという緑藻類をすくって食べたり、ヤシの木の随を食べたり、ハチのさなぎをほじくり出して食べたりしているそうです。他の地区では、アリつりをして食べるところもあるようですが、ボッソウ付近はアリ釣りはしないと書いてあります。コミュニティAが何を食べているかは、ずばりは書いてありません。しかし、ここから推理すると、、おそらく、ハチのさなぎやアオミドロ、そのほかを食べているのではないでしょうか。(チンパンジーそのものは雑食でなんでも食べるようです。)

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コメント

生徒はそうゆう疑問点を挙げてくるのですね!? わたしは、思いもつかないことばかりでした。。 こんど、教育実習で、文化を伝えるチンパンジーをやることになって、悪戦苦闘しています。おかあさんになったアイ読んでみます!

投稿: ぁぃ | 2007.05.14 17:01

元の文章と比較して書いた文章があるので貼っておきます。
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おかあさんになったアイ』(松沢哲郎,2001,講談社)の1つの章が、内容、構成ともにほぼ同じもの。ただし、かなり省略されている。気になる点を挙げると

 ・チンパンジーとヒトの共通点で「しっぽがない」という記述はない。
 ・文化の定義を考えるところはもっと長く、丁寧に記述されている。
 ・ABCでなく、地名がちゃんと書かれている。
 ・種割り以外の道具使用について、詳しく書かれている。
 ・種を割ることと核を食べることが区別され、もっと実験結果が詳しく書かれている。
 ・親世代から子世代への文化の伝播の様子がもっと詳しく書かれている。
 ・チンパンジーのコミュニティについての詳しい説明がある。
 ・「女性」がコミュニティを移動することについての説明がある。
 ・最後のまとめ、結びにあたる部分がない。

などである。全体的に上手にダイジェストされていると思うが、前回の会で、ここはどうなんだろうと話題になったことは、ほとんど元の文章には書かれていた。
 したがって、教科書本文を読んだあとで、疑問点を挙げさせ必要なところをプリントして読ませるというあつかいが可能かと思う。
 なお、チンパンジーのセックスに関わる記述、子殺しについての記述、さらにチンパンジーの親が子世代に非常に寛容であることの記述は、教育的観点から割愛されたのかもしれない。うがった見方だが。
 あと、教科書中のキャプションのない写真は、犬山にある京都大学霊長類研究所のアイとアユム親子の写真であることが分かった。
--
以上

投稿: halt | 2007.05.24 07:50

私も今度、教育実習でやることになっていたので悪戦苦闘していました。
でもインフルエンザ患者が発生した県の実習生は実習延期・・・(;;;´Д`)
大阪で発生してんなら京都にもすぐ来るだろうな。
延期になったらチンパンジーのとこやらないしな。
発生しないのを願うばかりです。

投稿: aaa | 2009.05.19 22:22

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